ここでは2003年7月に開催された”夢コンサート2003”のプログラムに収められた
針山愛美のバレエ放浪記2を連載してい
ます。


第1回



後悔しないように行きたい、、、
そのために失敗を恐れずに色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。


2003年  今日の公演を見に来てくださって全ての皆様、今まで見守ってくださってすべての皆様、本当に感謝の気持ちで一杯です。
 さて、私の海外一人生活もはや10年。本当に数え切れない出来事がありました。夢コンサート2001でつたない放浪記を書かせて頂きましたが、今回も少しだけ書こうと思います。前回と重なる部分もあるかと思いますがお付き合い下されば嬉しいです。

 人生とは本当にわからないものだなぁ、とつくづく思います。この2、3年色々な事件がありました。まず、9月11日のテロ事件。私はモスクワ留学時代にもソビエト連邦破壊の真っ只中にいました。もう10年以上前のことですが昨日の事のように思い出します。その時は外出禁止令のため、学校に2ヶ月軟禁され、外も歩けない状態でした。近くで銃声を聞いたり、また食料がろくに無かったり命がけの生活をよぎなくされました。パンを買うために2時間並んだり、電話も思うようにつながらなかったり、今考えると信じられないような状態でした。
 2年前のアメリカのテロ事件ではそれとはまた異なった試練にあいました。それは精神的な打撃でした。その日はいつも通りにボストンバレエ団でリハーサルをしていました。レッスンの最中に緊急会議の連絡があり、すぐ自宅待機するように言われ、すべてのリハーサルはキャンセルとなりました。ちょうど2機目がワールドトレードセンターに激突した直後でした。私はルームメートと共に水や缶詰を買い込み、店には買いだめをする人が殺到していました。恐ろしくてダンサー10人くらいが私の自宅に集まって皆で一夜を過ごしました。誰もが想像していなかった事でした。その後色々な噂話がとびかい、水に毒がまかれた、、バスの排気ガスに炭素菌が混じっていて町中にまかれる、、次は劇場が狙われる、、など人々は混乱におちいりました。そのせいか、バレエ公演の観客も激減し、半分すら入らない日がほとんどでした。
私も精神的にまいってしまい、外に出る気にもならず、大好きな劇場に見に行ったり、ショッピングに行く気力もなくなりました。そして自分が何の心配も無く好きなことを出来ていた事が、いかに幸せだったかという事を身に持って知らされました。毎日の生活の中で感謝の気持ちというのはすぐ忘れてしまいますが、日々当たり前のことも本当に感謝しなきればならないと思いました。私もここまで本当に数知れない方々の助けがあってここまで来ることが出来ました。