ここでは2003年7月に開催された”夢コンサート2003”のプログラムに収められた
針山愛美のバレエ放浪記2を連載してい
ます。


第2回



そんな心の病もすこしずつ立ち直り今ではいつものバイタリティーが戻りましたが、その時感じた普通に生活できる事への感謝の気持ちはずっと失いたくないものです。
 さて、旅好きな私は、今春6年ぶりにモスクワ、ヨーロッパなどを廻ってきました。モスクワに着いたその瞬間その重苦しい空港の雰囲気とそのロシア独特のにおいに迎えられ、あ〜変わってないな、、、と懐かしい気持ちになりました。13年前初めてロシアに来た時の事を思い出しながら懐かしのボリショイバレエ学校を訪れ、先生方も学校も変わっていなくて、またまた感激。ついこの間までこの学校にいたような気持ちになりました。1年目担任だったレオノバ先生が、今は校長先生になっておられ、迷惑をかけすぎた卒業クラスのバトーリャ先生や、ロシア語の先生だったアラ・ニコラエブナにも再会しました。アラ先生には子どものように可愛がって頂き、水しか出ない学校のシャワーが可愛そうだと毎日家に招いて熱いお風呂に入れて頂いたり、夕食を食べさせて頂いたりしました。私が淋しかったとき、痩せすぎて体力がなくなり精神的にまいってしまった時、いつも私の傍についていて下さいました。私が卒業論文をロシア語で書けたのも、先生のお陰です。私がロシアに行くと連絡したら公演のチケットを用意して、毎日家に招いてくださり、その、ママぶりは威力を増していました。どの先生も本当に喜んで、私が元気になってよかった、、、いつでも学校に遊びにいらっしゃい。明日クラスに来なさい、、、と離してくれませんでした。そして、1日中話をしていました。同じ場所で、昼食、夕食、そしてお茶と、気がつけば10時間くらい喋っていました。
 学校はそんなに変わっていなかったのですが、街に出てもうビックリでした。でも淋しい気持ちにもなりました。素朴なロシアの食堂は無くなり、ピロシキのかわりにホッとドックになり、すべて現代風に変わっていました。ロシアはそのままの方が似合うな、、、と思いながら、でも芸術を愛するその気持ちは変わっていないと実感し、嬉しくなりました。。